Sea gull

会社の最上階にはテラスがあり、クーラーが効き過ぎている会議室を脱出して日向ぼっこするには丁度良い。
昨日は睡魔に襲われっぱなしだったので普通に昼食を食べたら寝てしまうと思い、ピザを一切れ(と言ってもでかい)買ってきて、このテラスでのんびり食事をしていた。海が近い事もあり、このあたりはカモメがやってくるが、江ノ島のように狂暴でないので油断しなければ安心して食事が出来る。
ふと、テラス脇の単なる屋根になっている部分に目をやると、まだ羽毛が灰色のカモメがいる。隣に居た普通のカモメと比べると大きさも微妙に小さかった。
「そうかぁ、子供なんだなぁ」と思って見ていると、子供は親にくっついて行き、しきりに泣いている。「あぁ、餌が欲しいんだ。でも、いつまでウロウロしているんだぁ???、そうか、餌が取れてないんだなぁ。人間と違って大変だわ」なんて勝手に解釈してた。
ところが、突然親カモメが離れていき、近くにある排気口に近づいたと思ったら、突然、その中から最初の子供と同じ位の灰色のカモメが飛び出してきた。
「えっ?」と思ったその瞬間、親カモメの口からボロッとネズミ程度の肉の塊、しかし動物の原型は残っている餌が出てきた!
「おっ、おっ、な、なんだあれは?」なんて思うか思わないかのうちに、排気口から出てきたカモメはパクッと加え、ギャーギャー泣きながらウロウロしてる。
「こっちが本物の子供か!」と思ったら、今度は親カモメがもっと凄い声でギャーギャー言いながら子供が加えている肉を取ろうとしている。で、子供は反対側は、反対側へと動くばかり。
結局、いつもでたっても、その均衡状態が崩れる事が無く、自分自身も"餌"を食べ終わったので結末は見ずに部屋に戻った。

収穫: 「やっぱり人間は楽ね」と実感した事と、カモメが餌を吐き出す所を初めて見た事。まるで毛皮を剥いだネズミのようだった...